債務整理入門

まず、任意整理と債務整理は似ていますが、債務整理という手続きの中の１つの方法です。

任意整理は、裁判所を通さずに、司法書士が消費者金融やクレジット会社などの貸金業者と話し合いの交渉によって、今ある借金を減額、さらに払いすぎているものがあれば、過払い金を取り戻して借金問題を解決する方法です。

貸金業者との交渉では、通常は、無利息で３年内の分割払いで返済をしていきます。ただし、状況によっては５年程度の分割払いになることもありますが、あくまで任意の交渉のため、貸金業者と合意ができなければ任意整理は終わりません。

交渉を行なって、今よりも月々の返済負担を軽くすることが、任意整理という債務整理手続き方法です。

過払い金請求とは、消費者金融などの貸金業者から利息制限法という法律の上限（１５～２０％）を超えてとっていた利息のことで、この利息を支払っていた借主が、貸金業者に払い過ぎた利息（過払い金）を返してもらうための手続きのことを、過払い金請求と言われています。

この過払い金請求は、多く利息を払ってきた利用者に認められた権利で、１０年以上も貸金業者へ返済を続けていた方の例では、過払い金が５００万円以上もあり、実際に手元へ戻ってきた方もいらっしゃいます。

そして、借金をすでに完済されている場合に限っては、過払い金請求をすることでマイナスになることはありません。家族や会社に知られずに、過払い金を取り戻すことができます。

ひとつ注意点をあげるとすれば、貸金業者が潰れてしまったり、過払い金請求は完済してから１０年経ってしまうと時効という制度によって、過払い金を請求しても取り戻すことは難しくなりますので早めにご相談してください。

自己破産は、裁判所を通して返済ができないことを確認し、現在ある借金の返済を免除してもらう手続きです。借金を免除してもらうとは、借金がゼロになるということです。借金がゼロになると、返済していたお金は生活費とすることができるため、他の債務整理（任意整理、個人再生）と違い、新たな生活を再スタートするには一番の方法です。ただし、世間で自己破産というと、戸籍に載ってしまう、人生の終わりだと考えている方がまだまだいらっしゃいます。戸籍に載ることはありませんのでご安心ください。

借金がゼロになるので債務整理の中で一番金銭的なメリットが大きい方法です。

個人再生とは、裁判所に借金の額を大幅にカットしてもらい、原則３年間で分割して返済していく手続きです。

この手続きの最大のメリットは、マイホームを維持しながら借金の整理ができるということです。マイホームを持っていない場合でも、自己破産はしたくないが任意整理や特定調停をしてもあまり金額が減らず返済していくことができないという場合に用いられる手続きです。

住宅ローンの滞納が続くと債権者（住宅ローンを組んだ金融機関）は不動産（自宅）を競売にかけて安い金額で売られてしまいます。競売にかけられる前に、高い金額で不動産（自宅）を売却して引越し費用や生活資金を手元に残す方法があります。それが、任意売却です。

任意売却とは、住宅ローンの滞納したり、返済が困難になってしまった場合に、借主と各金融機関の合意により不動産を売却する手続きのことです。